ドラマチックすぎる世界の見方が世界をゆがめている
日本だけでも100万部を超える発行部数で、ベストセラーのFACTFULNESS(ファクトフルネス)は初めにある13問のクイズでまずは心が掴まれます。このクイズは読み飛ばしたりせずに答えを記入しながら読んでいただきたいです。
そのクイズの答えが本書のテーマになっていて世界を知る事が出来ます。世界を知るというと大げさに聞こえるかもしれませんが、考え方や思いで世界を知る事では無く数字とデータを元に世界を知る事が出来るので世界の事実を知る事が出来ます。
そして私が考えていた世界と、数字を基に導き出されている世界には大きなギャップがありました。
それは、自分の住んでいる国以外には興味が無い。なんていう言い訳が出来ないぐらいの大きな差が世界にはありました。勉強不足で恥ずかしいと思った部分もありましたが、本書を読み続けていくとその思いも変わっていきます。
そして、ドラマチックすぎる世界の見方をしている自分がいる事に気づきます。ドラマチック本能が自分の中で誤った思い込みをしているという事に気付きます。
本書のの中で大きく言われている事として、先進国と発展途上国の極端な2つしか分類があるわけでは無く、レベル1からレベル4に分類するとほとんどがレベル2,3の生活をしているという事を教えてくれています。楽観視するわけで無いですが、完全に悲観するものでは無いという事です。
数字からわかる世界の事実
平均寿命は何故か高齢者の事ばかりが計算されているような錯覚を起こしませんか?しかし、子供や災害で死んでしまった人も当然計算に含まれます。という事は、平均寿命が高いという事は、まずは子供が病気になっても処置をする体制が整っているという事、また災害に対して対策を取れているという事(災害対策にお金を回せる)です。数字を理解すると視野が広がる部分だと思います。
ちなみに、2020年の日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳です。2050年にはさらに3年ほど平均寿命が延びる推計値も出ています。
2020年の世界の人口は約80億人、2100年には世界の人口は約110億人になっていると言われています。アジアの人口が増えるのが大きくを占めますが、それにより世界市場も大西洋周辺からインド洋周辺に変わってきます。(2040年ごろ)これは、マーケティングなどの観点から見ても非常に大きな部分ですね。
FACTFULNESSにより世界の見かたが180度変えられた
他にも印象に残っている内容としては、虫歯の数はレベル4の人々の中では貧しい人の印象になりますが、レベル1,2の中では甘いものが食べらるという豊かな証である事。
アメリカでテロリストに殺される確率より酔っ払いにより殺される確率の方が50倍高いという事。
自然との調和により人口の増加も落ち着きつつある事などが印象に残っています。そして、それらは数字による事実ばかりです。
本書FACTFULNESSは物語形式で書かれているので情報がすんなりと入ってきますし、人の頭の中に一番すんなり入ってくるのも物語形式だという事にも納得できます。
ネガティブな情報が世界を取り巻いているように感じますが、実はポジティブなニュースも世界には溢れています。単にニュースに取り上げられないだけで。
本書には、なぜ悪い事ばかりが起こっているという思い込みが強いのか?という理由をネガティブ本能などの10の本能に分けて説明してくれています。
世界には、今も飢餓や病気で命を落としている人もいるので楽観視は出来ませんが、100年前、50年前から考えると世界が良くなっているという事を知る事が出来ます。それを知っているだけで、何に対して力を入れて行動をとるべきか?という優先順位を考える事がようやくできると思いました。
FACTFULNESSを読んで、データを基に世界を正しく見る方法が理解できて、思い込みの怖さを知る事が出来ました。この本を読んだ後にニュースを見ると確かに8割ぐらいがネガティブな情報で、そのネガティブなニュースに目が行ってしまいます。本来の世界はネガティブなニュースばかりでないという事を意識しながら、数字を基に視野を広げていきたいと感じました。
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