【読書録】PIXAR 世界一のアニメーション企業のお金の話が面白い!

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世界一のアニメーション会社のPIXAR(ピクサー)が元々スティーブ・ジョブズの会社だったと知っていますか?Appleを追放されて復帰するまでのジョブズのストーリーには欠かせない会社であるPIXARについて、PIXARの最高財務責任者(CFO)兼社長室であった著者のローレンス・レビーが書いた本です。

レビーの自伝のようにも感じられる本ですが、歴史上に無いような交渉とお金について語られていて、ワクワクが止まらず、手に汗かきながら楽しめる本です!是非読んでみて下さい!

こんな人におすすめ

  • PIXARの歴史に興味がある方
  • スティーブ・ジョブズに興味がある方
  • 企業の成功の為の交渉について興味がある方

『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話 著:ローレンス・レビー』の概要

PIXARがスティーブ・ジョブズのポケットマネーで運営していたギリギリの頃から、ディズニーに買収されて何億円という価値の大きな企業になるまでのノンフィクションです。PIXARのCFOに任命された著者のローレンス・レビーは調べれば調べるほどPIXAR成長の可能性が無いことに気づきながらも、様々なアプローチや交渉で成功に導いていきます。

PIXARの代表作でもある、世界的にも有名な『トイストーリー』が発表される頃から始まるストーリーですが、初めてトイストーリーの試写を見たローレンス・レビーが感銘を受けてチャレンジを始める場面がとても印象的です!

1995年にトイストーリーは発表されましが、今でも信じられないぐらいのCG技術ですよね!

私が『PIXER』を読んで学んだ事・感じた事

  • ストーリーが人々を椅子から立てなくする
  • PIXERブランドの誇りが大事
  • エンドクレジットにこだわる

ストーリーが人々を椅子から立てなくする

PIXAR映画をクリエイティブな面でリードしていたジョン・ラセターの言葉で、綺麗なグラフィックは数分楽しませるが、人々を椅子から立てなくするのはストーリーだというのがあります。PIXER映画で一番に思い浮かぶのは、CG映像ではありませんか?(私はそうです)

しかし、クリエイター達はCGの映像美に全てをかけているのでは無いという点がPIXER映画が人気である所以だと感じました。強みであるCGに全力で取り組み、映像を見て楽しんで貰いたいという風になりがちな人は多いと思います。ストーリーは後付けで、最高のCGが使える場面で後からストーリーを考えてしまうという事もあるかと思います。

しかし、PIXERはストーリーの大事さがお客さんとって大事だという事を理解しながらCG映画を作ったのがとても素敵で、とても感動しました。

PIXERブランドの誇りが大事

本書のタイトルにあるように、お金の話、交渉についての話がメインです。初めのトイストーリーが大ヒットしたおかげで、元々ディズニーと締結されていたお金やブランドについての厳しい契約について、新しい契約の交渉をしようとします。(元々のディズニーとの契約があったからこそ『トイストーリー』の発表が出来たのも大事な部分ですが)

その中で、最後まで折り合いが付かなかった『ブランド』について、ディズニーはPIXERのアニメーション映画がPIXERと横並びの扱いにはしたくなかった(ディズニー>PIXER)。

しかし、PIXERが求めたのは対等な関係(ディズニー=PIXER)。新しい契約を結べば今までの4倍以上の収益が得られるようになるのに、ジョブズ含め、PIXERのクリエイター達はお金を求めず、ブランドに誇りを持とうとします。(今まで散々お金に苦労してきたにも関わらず)

自分達が作った作品に小さくPIXERと書かれても達成感が生まれないという事でした。PIXER目線の本なのでどうしてもディズニーが悪者のように感じられてしまいますが、お互いにとって非常に大きな部分なのだと感じました。

クリエイターに大事な部分はここなんだろうと思います。そして、ジョブズもクリエイターに目を向けてブランドを守ろうとした所も意外に感じました。大ヒットを連発するPIXERの面白さとクオリティの高さは、ブランドへの誇りから生まれているのだと痛感しました。

エンドクレジットにこだわる

エンドクレジットはあまり注目されない部分だと思います。(私は動画を作ったりするのでちょっと気になりますが)そのエンドクレジットにクリエイター以外の映画に関わったスタッフの名前を入れるように著者が提案します。エンドクレジットはあまり注目されていない部分ではありますが、制作に関わった人にとってはとても大きく嬉しいものです。

この提案は紆余曲折ありながら最終的には、役員であった著者以外のスタッフの名前が掲載されるようになったのですが、この提案をした著者はほんとに仲間が好きなんだと思いました。せっかく映画に貢献している仲間の名前を挙げて欲しい!という気持ちが伝わるエピソードです。

このエピソードからも分かるように、本書からは著者の人としての素晴らしさが溢れている内容となっています。ジョブズにも好かれて、相談する相手にも愛されていて、交渉相手ともいい関係を保つことが出来る、非常に人間味のある素晴らしい方です。

本書に出てくる金額は考えられないぐらいの大金なのですが、なぜかストーリーに惹き付けられて自分の周りの事のように感じ、ドキドキとワクワクが止まらない内容になっています。

ストーリー仕立てだから面白く、ビジネスにとっても参考になる本です。是非読んでみて下さい!

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